居眠りしていたあたしは、肩を叩かれて目を覚ました。
「…妹さん、ですよね?
起きて下さい。お兄さんのカットが終わりましたよ」
「え?あ、ありがとうござい…
…ま…す……」
目を開けて、店員さんの斜め後ろに立つ洋介の姿を捉えて、あたしは言葉を失った。
……だ。
あたしが求めていたものはコレだぁああ――ッッ!!!!
「お帰りあたしのお兄ちゃん!!!!」
「ぐはっ」
思い切り飛びついたら、洋介には体当たり並みの威力だったようで。
洋介はフラついて危うくこけるところだった。
次の問題点はここだな。
この虚弱体質をどうにかしてやらんと…。
でも!!
「外見は昔に戻ったね!!よかったぁ!!」
「……くっ。
日差しが…眩しい……いかん…灰になりそうだ…」
お前は吸血鬼か。