いつの間にか、もうそらと走った人達はみんないなくて。あたしとそらだけぽつん、と芝生に座っていた。
「俺、カッコ悪」
ぐしゃぐしゃ、と髪を掻いて、下をむいた。
「ううん、カッコよかった。そら、カッコよかったよ」
カッコ悪いなんて、1つも思わなかったよ。だって最後までそらは諦めなかった。ゴールに体ごと転がり込んでた。あたしは一番、そらがカッコイイって、そう思ったよ。
「そら、走るの、気持ちいい?」
イロイロ考えて、出た言葉が、これだった。なんでこの言葉かなんて言った瞬間忘れた。聞きながら、なんでだろう、って思った。
けど、多分、ずっとあたしがそらに聞きたかっこと。
走るって気持ちいい?
走るって好き?
陸上選手にこんな事聞くのは間違ってるのかもしれない。
けど、やっぱり、あたしは聞きたかった。
