天国と地獄の2つをほんのわずか数分で味わうことになるなんて、誰がよそうしていただろう。 この世に神様なんて、いないんだね。 「紗愛、いくぞ」 何も言ってなかったのに、電話に出てくれて全てを理解してくれたそらが、あたしを支えてくれた。 よく覚えていない。 自転車の後ろに乗せられ、そらに大丈夫、とずっと言われながら、そらの背中に抱きついて泣いていた。 いつの間にか病院にいた。 「おかーさーんー」 圭斗の泣き声と 圭斗を抱きしめる大希の涙と あたしを抱きしめる温もりと 冷たい機械音だけ。