「はん、じゃあいいっつーの!このヘタレ!」
べーっと、舌を出して馬鹿にする。
「ちょ…っ!待て!!」
愛村のそんなコトバを無視して、倉庫を出る。
なんだか苦しい気持ちと、嬉しい気持ちが混じって、歩く速さがはやくなる。
ドキドキドキ…。
下を向いて歩いていたせいか、誰かにぶつかってしまった。
ドンッ!
「いったいわねぇ!!」
あたしは今むしゃくしゃしてんのよ!
なんでかって?
聞かないでよ!
「は?てめぇ、どこ見て歩いてんだよ」
「下見て歩いてんだよ!」
悪い!?
この状況で上を見ろって!??
不可能だっつーの!