「だって“Angel”は伝説の人だろ?みんな憧れてるし」


「あたしが伝説?」


「知らないの?」


「え、うん」



そんなこと、ありえない。


憧れなんて、伝説なんて

そんな大層な存在になんてあたしはなれない。





「…今日時間ある?少なくとも、俺らにとってのAngelがどんな存在なのか、教えてあげる」


「……わかった」






どうしてあたしだとわかったの?


髪も染めたよ、金髪からモカブラウンに。


ロングのストレートヘアーも切ったんだよ?パーマもあてたんだよ?




わかるはずないのに。

あたしは、もう“あたし”じゃないのに。





『過去なんか、変えられないんだよ……っ!!』


「―――――…」