「……ねぇ、愛村。…じゃなかった、愛村君」


「ナツでいいって言ってるのに。…何?」


「この前言ってた「さなちーん!!」」




「チッ……」

「ははっ」



ツルヤ、てめぇはわざとやってんのか?


いっつもいいタイミングで現れやがって。



「……何?」


「れいちゃんが!れいちゃんが!!!」


「あーはいはい」


「ええぇぇ!!?」



後ろで泣き叫んでる声がするけど、



聞こえな~いっ!




「愛村」


「ふ、くくっ…うん」



愛村は笑いをこらえながら、


優しい目で


あたしを見る



「……っ!!」


思わずあたしは


ドキッとしちゃったんだ。