耳もとで、ナツが囁いた。



「…俺は…」

「…………っっ!!ナツのバカっ!」

「…嬉しい?」

「………っっ!うれしい」









「…帰ろっか」

「うん」



吹く風があたし達を包む。



お母さん……。


あたしに、好きな人ができました。



格好よくて、優しくて、

あたしを守ってくれるの。


その人はね

県内最強の不良だけど…ね。



あたしにとっての、

唯一の、大好きな人。