ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~





ため込んで、しまっていた箱の蓋を、彼女は簡単に外して。


壊してくれた。




「泣かないで。人って、あったかいんだよ?」


ぎゅっと抱きしめられた。



よく考えれば、初めて会う人によくあの子は抱きつけたなって思う。


そしてあたしも拒否しなかったなって。




「虚しいだけの世界は今日で終わり!!」


二カッと笑う彼女を、誰かが背後で腕をつかんだ。




「みぃ~~~~なちゃんっ?楽しそうだねぇ」



彼女の手をつかんだのは、男で。


あたしがこないだぼっこぼこにした奴だった。




「こないだのカリ、返してもらいにきた」



不敵に笑った。