もちろん停学になって、久しぶりに登校した日。 「ミーナだ!」 こそこそと、話し声が聞こえた。 ミーナ? 「ねぇ、なんでミーナなの」 あたしに話しかけられた女の子は、びくつきながら、答えた。 「美羽怜奈だから、略してミーナ」 「……ふん」 そんな単純な名前は、またたく間に広がった。 喧嘩して喧嘩して喧嘩した。 そのときだけは、 ひとりじゃないと感じられた。 本気で殴ってくる相手は この世界に確かにあたしは存在するんだと感じさせてくれた。