「ナツ…っ」 ぎゅっとしがみついてきた沙南を抱きしめて、俺はあざだらけの顔を見た。 ひでぇ…。 「拓眞も、襲われたんだよ」 「え…?」 「たぶん、沙南のお父さんを襲った奴らと一緒の奴らに」 「………」 まだ、拓眞が目を覚ましていないから、真実はわからないけれど。 許さない、 許せない。 俺は、沙南を傷つける奴を、一生許さない。 沙南は、俺のたった一人の大切な女(ひと)。