「いや、異名なんて誰もつけてねぇよ。いつのまにか、そう呼ばれてた。」





うん、確かに、いつのまにか呼ばれてた。




「…だって……っ!あなたたちが噂してるAngelは、喧嘩が強いのとキレイだっていうことしか言ってないじゃないの!」


…おっと。


その発言は、自分が偽者だって言っているようなものだ。




大丈夫かなあ…?

まあいざとなったら止めるからいいけど。






直哉は上を向いて、つぶやいた。



「………みんな、救われたんだ」


「…?」




女の子に視線を戻して、



「…Angelの言葉に、な」


寂しそうに呟いた。





……え?



あたしの言葉に救われた…?





「……県内最強の男Satanも、冷酷だって恐れられてたミーナも。」


「……Satan……ミーナ……」



「…そんな最強的なメンツだけじゃねぇ。俺を含め、ここにいる殆どの奴が、何かしらAngelに救われたんだ」