Black Moonのたまっている場所までつくと、あたしはバイクに乗せてくれた男の子を連れて物陰に隠れた。


「てめ…っ!何のつもりだよ」


「しーっ!ここにいるのがばれちゃうでしょうが!いいから黙って一緒に見てて」



男の子は舌打ちをすると、あたしと一緒に物陰から直哉たちの様子を眺めることにした。



まあ、戻らないのは、あたしがおもいっきり腕をつかんでいるからなんだけど。




「…何よあんたたち!あたしが誰だかわかってるの!?」


あ、さっきも聞いたセリフだ。



「知ってるから連れてきたに決まってるだろ?」


「……」


「偽物みてぇだけどな」



「なっ!何言ってるの?あたしがAngelよ」



カッとなって赤くなりながら、女の子は反論した。




「っていうか、ねぇ」


「あ?」


「なんでこんなことやってるの?Angelっていう子にでも復讐するつもりなの…?」


「………」




問いかけても、男の子は黙ったままだった。


黒髪の奥に隠された蒼い瞳が、揺れていた。