だとしたら、この子が危ない。
何としてもついていかなければ。
「あの、警察に通報しますよ?」
「・・・・・・」
あ、しまった。もっとか弱い女の子を演じなきゃじゃん!
「だからあたしも一緒に連れて行ってください」
「はあ?」
「いいでしょ、いいから!」
相手の返事を聞くまでもなく、誰かのバイクの後ろに乗った。
「さ、早く出発させてよ!」
「…てめぇ…」
殺気を放ってもガンとして動かないあたしに観念したのか、バイクをだした。
ドクン…
あの日以来、直哉の噂は聞かない。
どうなっているか、知らないままだった。


