「…大丈夫?」
ニッコリと彼女は笑った。
先程までに見せた圧倒的強さが嘘のような、優しい笑みだった。
「……あぁ…平気」
「……ナツーー!」
遠くで俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
…拓眞だ。
「…人と向き合うことは、大事なことよ」
「………は?」
「つまらない、なんて思わないで。楽しくするかつまらなくするかはいつだって、自分自身で変えれるんだから」
「…何言って………」
見透かされているようだった。
カラコンをいれた蒼の瞳が俺の心全てを見通しているかのように思えた。
「……じゃあね」
Angelはそう言って暗闇の中へと歩いて行った。


