「……ナツ」



繋いだ右手の少し斜め前にいるナツの腕に擦り寄った。



「……どした?」



「……ナツ………好きだよ」



恥ずかしくて顔を向いてちゃんと言えないから、


俯きながら伝えた。





「は?…俺もだし。」



ナツからはっせられた意外な言葉に思わず顔を上げた。




目があうと悪戯っ子のように笑うから、あたしもつられて笑ってしまった。





お母さん

あたしね……





好きな人が出来ました。




この人がいるだけで、

落ち着くんだ。





心から笑って

泣いていられるの。









誰にも見せなかった弱い自分を

ナツはすぐに気づいて




受け止めてくれるの。






あの腕で、

抱きしめてくれるの……。




ギュッ…



今も、右手を通して

ナツの体温が伝わってくる。








あたしはあなたに出会えてよかった。








そう思っていたけど………