手紙をしまおうとすると、ナツが声をかけた。 「裏、見なくていいの?」 「…裏…?」 手紙を裏返すと、文字が書かれていた。 『沙南はひとりじゃないよ』 「…っ!!」 …単純に嬉しかった。 あたしの一番欲しい言葉を、 玲奈は言ってくれた。 口で伝えているわけじゃないけど、 言葉で。 「…行くぞ」 「うん…」 右手に伝わる温もりは、ナツの温もり。 『沙南はひとりじゃないよ』 玲奈、ナツ… ありがとう…。