「――――っ!!」 「え、沙南!?」 …なんでかは、わからない。 ただナツが優しく微笑んでくれたから、 なんだかとても安心した。 流れる涙は、 あたしの凍った心を少し、溶かしてくれたような気がした。 「…ったく」 ぐいっとナツに手を引っ張られる。 右手で目を覆いながら、下を向いていた。 「ほら、座れ」 ナツに指定された場所は、少し懐かしく感じる、丸椅子だった。