静まり返る空間に、携帯のバイブ音が響いた。 あたしの電話のときのバイブ音だ……。 カバンから携帯を取り出す。 【着信:愛村ナツ】 出るべき…? 出ないべき…? ちらりとツバサと珠梨のほうを見た。 ツバサはうなづいていた。 珠梨は泣いていた。 震える手で電話をとる。 「…もしもし…」