「っにしてんだよ!」 ぼろぼろになったツバサを見ると、自分を止めることが出来なくなった。 「さ…沙南さん…」 ツバサの声が聞こえて、ハッとすると男たちが血だらけになっていた。 「これ…あたしが…?」 我を忘れて…とはこのこと。 覚えていないあたしは状況が飲み込めずに、後悔だけが募っていた。 「ぼ…俺、強くなりたい」 体の震えを必死に押さえ込んで、ツバサのほうを振り向いた。