ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~







授業をサボるために、屋上へ向かおうとしたときだった。


――ドンッ


「きゃ…」



遅刻してきたであろう女の子があたしにぶつかってきた。



「気をつけな」


そんな些細なことにさえ、イラついてそう吐き捨てた。




いつもなら、脅えながら人はあたしの前から去っていく。だけど、



「あ、あの!」



珍しく話しかけられて、思わず振り向いた。





このとき、振り向かなければよかったんだ。



そうすれば、あたしは―――