「や、ちょっと玲奈…っ!」


ぐいっ、と玲奈に腕を引っ張られて、愛村の病室に入る。




「よぉ」


二カッと笑う愛村の笑顔は、なんだか数年ぶりに見たような感覚に陥った。





「あれ、お前…」



愛村が指差したあたしをさした。


「…?」


どうしたんだろ。

後ろに誰かいるの?


そう思って、後ろを振り返るけど、ツルヤと玲奈以外誰もいなかった。


「さなちん、倒れたんだぜ?」


「そうなのか?」


あ、あたし今病院服だからか。


こくり、とうなずく。


なんだかうまくコトバを発っせれない。



「ナツやんのこと、心配しすぎてね!」


「な…っ!ツルヤ、なんてこと言ってるのよ!!」


「そーそー」


「とも…っ智樹まで!」


「どもっちゃって、かーわいっ♪」


「ユウまで!!バカはツルヤだけで充分よぉ!」


「え、何それ!?」


「まったくだ。」


「何でぇ!?ナツやぁぁあん!!」


温かい空気が、あたしたちを包み込んだ。