直哉の唇から少し血が出た。 「そしてこれが、あたしのぶん」 「…はっ!?」 ぎゅっと、直哉を抱きしめた。 「―――――」 「じゃぁ、先生、失礼しました」 後ろで引き留める教師の声がしたけどあたしはお構いなしにツルヤを担ぎながら屋上へと向かった。 「ツルヤ、重い」 「へへっ」 「何嬉しそうに笑ってんの、気持ち悪い」