ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~




「……誰だよ今、笑ったの」


すーっと立ち上がって、クラスを見回した。


「何?君も刺されたいの?あいつみたいに」


直哉は、またナイフを持っていた。


「黙れよ。つけあがってんじゃねぇぞ!!」


低い怒声。

No,2にたいして啖呵を切る女の子。


クラスの空気は凍り付いていた。



「君…っ!危ないから、どいてなさい」


「先生、みんな危険だから教室から出して」


「な……っ!」



「いいから早く!」





しぶしぶ教師はみんなをクラスから出した。


廊下の窓には興味津々の野次馬が乗り出していた。





「直哉、いつからそんな変わったの?」


「……はぁ?元からだっつの」


「違う!あんたは優しかったじゃない!」


「何いってん…の!!」



直哉のナイフを避け、みぞおちを蹴り上げた。