ガッターン!
教室の中ですごい音が響いた。
ボーっと音のするほうを見ると、ツルヤが立っていた。
ツルヤの机は倒れていた。
「……んだよそれ」
「「………え?」」
ツルヤの低い声に、誰もが固まった。
いつもおちゃらけてて、ふざけてるツルヤが怒っていたから。
「お前らなんかに沙南の気持ちがわかるかよ!!」
ツルヤは怒鳴った。
「自分責めて!今、泣くことだってできないのに!!」
ツルヤは、あたしのために怒ってくれてるの?
「今日こそ目を覚ますんじゃないかって!面会謝絶の病室の前で毎日祈るような気持ちでいる沙南の気持ちがわかるかよ!!」
「……っ」
ありがとう。ツルヤ
ツルヤだって辛いのにね。
あたしなんかのために、ありがとう……。


