しばらくの間、面会謝絶だった。
でもあたしは今日、愛村が目を覚ますんじゃないかって、
そう思ったらいてもたってもいれなくなった。
毎日病院へ通って、面会はせずに、病室の近くで手を合わせて祈った。
早く、目を覚まして…って。
愛村は確かに言った。
"沙南"って。
今までみたいに
"沙南ちゃん"でも"お前"でも"Angel"でもなく
確かに、もう一度、"沙南"と呼んだ。
愛村のあの顔が脳裏に焼きついて、離れなかった。
痛いくせに、
心配すんなって言いたげな目で、微笑んだあの顔が。
「愛村……」
ごめん
ごめんね
あたしのせいだ
あたしが守れなかったから。
あいつを最後まで信じようしたから。
お母さん…
お願い……
愛村を守って
連れて行かないで


