オペ室から出てきたのは顔馴染みの先生だった。
あたしの、お母さんの、主治医。
それが、またあたしの不安を煽った。
「先生……っ!!」
「君は…沙南ちゃん?」
「愛村は!?手術はどうなったんですか!」
「手術は無事成功したよ」
ほっとして、身体の力が抜けてガクッと座りこんだ。
「ですが、意識が戻るかはわかりません……」
「……え?」
「かなり深く刺されていましたからね、油断は出来ません」
「……そんな……っ」
ガラガラとナースたちが愛村を運ぶ。
「愛村……っ!!」
立ち上がろうとするが、腰が抜けて思うように動けなかった。
「おい、ナツ!!」
「ナツ!」
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