聖夜の約束

車が走り出して窓の外を見ると雪が降っていた。


車が走る道路は濡れているだけだったが、道路と歩道の間の植え込みの木には雪が少し積もっていた。


「お客さん、クリスマスパーティーですか?いくらなんでもコートは着た方がいいですよ」


後部座席に座った夏姫をバックミラー越しに見て呆れたように言う。


「え・・・」


無我夢中だったのと、車内は暖かくてグレーのドレスの上にコートを着ていないことをすっかり忘れていた。





タクシーは30分ほどでレイが待っていると言ったクリスマスツリーのある広場の入り口へ着いた。

約束の時間から4時間近く経っている。

(レイくんがいるなんて思っていないけど・・・彼が待っていた場所へ行きたかった・・・)

タクシーから降りるとあまりの寒さにブルッと震えた。

両手を身体に巻きつけ、クリスマスツリーに向かう。

11時になろうかとしている時間帯の今、クリスマスツリーの傍にはカップルがたくさんいた。