聖夜の約束

「あたし・・・」


夏姫はかぶりを振る。


「あたし?」


瑞樹が怪訝そうな顔になる。


「ごめんなさいっ!あたし長谷川さんとは付き合えませんっ!」


頭を下げて下りのエスカレーターに走った。


「夏姫ちゃん!待って!」


訳がわからない瑞樹は夏姫を追いかけた。


華奢なヒールでエスカレーターを駆け降りる夏姫の手を瑞樹が捕まえた。


「夏姫ちゃん!いったいどうしたんだ?部屋を取った事が気に入らないのなら謝るよ」


ロビーに着いて夏姫と向き直った瑞樹が言う。


「・・・離してくださいっ」


(レイくんっ!)


夏姫の心はレイで占められていた。


捕まれた腕を乱暴に振りほどくと夏姫は駆け出した。


「夏姫ちゃん!コート!・・・・・」


瑞樹は夏姫のコートを持っていた。


瑞樹は追いかけたが夏姫が乗ったタクシーは動き出していた。