◆太陽のごとくあいつは◆




『キャー!!水が冷たァい♪』



『超気持ちいねぇ!!』




女子たちが騒ぐ、やけに人であふれかえった日曜日の海。



晶螺はうきわの上に寝そべり、一人ゆらゆらと水面を漂っていた。




ぁ~っ、くそっ!!

美夏ねぇとあいつが頭から離れねぇ…




その時、麻美が話しかけてきた。




『晶螺くん?どうしたの?

……なんか全然楽しくないみたい…



わたしとじゃつまんない?』





珍しいくらいに下手に出る麻美を見て、思わずその素直さを美夏と重ねる。



美夏ねぇ…



『晶螺くん?』



 
『ぃや…そんなことないよ。海楽しいしさ』



『じゃぁもうちょっと笑って?』




これが美夏ねぇだったら…
俺は死んでもいいのに…



晶螺はそう思いつつ、麻美に向かって笑って見せた。


それを見て安心したように麻美も微笑んだ。