が、美夏は
『ぁ~…あたしはパス。』
『ぇ?』
晶螺が声を漏らした。
晶螺の腕にひっつきっぱなしの麻美でさえ、驚いた顔をしている。
まぁ、いつもあれだけつっかっかってきていた恋の宿敵(?)が、急にかかって来なくなったらそうなるだろう。
そんな彼らに美夏は笑って言った。
『海行くと焼けちゃうし…二人で行ってきなよ♪
若いのは若いの同士で』
むっ…
晶螺はピンときた。
『キャーっ!!!!さすがオネエサマ、話がわかるゥ♪
行こーよォ、晶螺くーん』
麻美は歓喜の声をあげた。
『すいぶんと物わかりがよくなられたのね、オネエサマ♪
わたしたちのこと認めてくれたのかしら!!』
ますます晶螺にくっつく麻美。
この間までの美夏だったら力づくでも奪い戻そうとしたが、
今の美夏にその気配はない。
ぉい、まじかよ美夏ねぇ…!!
くっそぉ!!
美夏ねぇが何考えてるかわかるぞ!
俺のこと…年下の幼なじみだってこと今更しっかり俺に自覚させといて自分は……
何が"親友の恋人"だよ!
美夏ねぇのあいつ見る目を見りゃぁ子供にだってわかるさ!!
ちくしょぉ…


