だから、わたしは晶螺くんと組んで試合に出たかったのに!!
なのに…
わたしの気持ち知ってるくせに、晶螺くんったら…------
麻美は悔しそうな顔で爪をかんだ。
************
夜8時……
着替えて小屋から出てきた美夏と晶螺の前にはばかる者が二人。
『待ってたんだよぉっ、晶螺くぅん♪
お疲れ様!超イイ試合だったょ!』
そう、麻美と友枝だ。
麻美は晶螺の腕に手を廻し、くっつくようにしてまた高い声で話す。
『一緒に帰ろーよぉ!散歩がてらさ♪』
晶螺はただ笑うだけで、心中、"なぜこうなる…"と呆れていた。
友枝は美夏に向かって、
『おくってくよ』
なんて言うもんだから、晶螺は
『ぁ、美夏ねぇ…』
友枝と美夏は歩き始めてしまった。
『美夏ねぇ…!!!』
『晶螺くん!!』
麻美の声が晶螺の声を遮った。
『いいじゃない!!あの人たちはあの人たちでほっとけば!!』
『……------っ』


