友枝がまた口を開いた。
『だけど驚いたよ。
お前はてっきりもうここには来ないんじゃないかと思ってたよ』
『……--------』
『まさかこんなところでまた再開するなんてな』
美夏の目が急に真剣になったのに気づいた晶螺は、やるせなくなり、
『美夏ねぇ!!もう2組目試合終わったよ!
早くスタンバっとかないと』
すると友枝は、
『ぁぁ…じゃぁまたあとで』
と言って去っていった。
『なんだよあいつ!
出番前の選手つかまえといてさっ』
晶螺が気に食わぬ顔をして言った。
『……始まるよ、行こう』
美夏はそう言って晶螺の前をコートへと進んだ。
試合は、午前にあったやつよりは少々技アリのペアだった。
が、30分でひねりつぶした。
『楽勝楽勝★』
上機嫌で腕を振り回す晶螺。
が、美夏は席からこっちを見ている友枝が気になってしかたがない。
隣には麻美が座ってこっちを見ていた。
美夏には聞こえないが、友枝は目線をずらさず、麻美に話しかけた。
『麻美。
彼らは一番の強敵になるぞ。』
『はぃ……』


