『よかったわょぉ、二人とも!!
この調子で2次まで勝ち進んでね!!』
コーチが二人の肩を強くバンバンと叩いて、大笑いしながら客席のほうへ歩いていった。
どうやらご満足のようす。
そして二人は2次に勝ち上がるため、午後からの試合にも気合満々だ。
『美夏ねぇ!!
早く!!もう2組目試合はじまってるよ!!
俺ら3組目じゃん、急いで!!』
晶螺が女子更衣室の前で叫ぶ。
すると急に荒々しくドアが開き、晶螺の顔に直撃。
『グヘっ!!』
『ぁ…っ、ごめんごめん』
コート付近で柔軟運動などしてウォーミングアップをしている二人のところへ、
友枝がやってきた。
『よぉ。』
『ぁっ…。』
美夏は顔を上げた。
『調子はどう?』
『ぅん…なんとか。』
『雛森なら1次なんか軽いよ。
実力はよく知ってるからね』
二人の会話を横で聞いている晶螺は、少し友枝を睨みつけているようだ。
『………………。』


