◆太陽のごとくあいつは◆




美夏が思わず振り返る。



"結構ヤルぢゃん"


といった目を晶螺に向けると、彼はえばって胸をはった。





20分後、試合は終わった。



『ゲームセット!!
勝者、菅野・雛森ペア!』




試合は大半が美夏と晶螺のポイント。


相手ペア二人はほとんど晶螺のサーブに苦戦、取れてもその後の美夏のスパイクに

けちょんけちょんにされたのであった。




相手ペアには悪いが、ハッキリ言って美夏と晶螺の相手ではなかったようだ。





『楽勝だったね、美夏ねぇ』



晶螺は少しかがんで、美夏の耳元で囁いた。



『当ったり前じゃん!』



美夏は自信満々に答える。






そんな美夏の様子を試合開始時からずっと見ていた男がいた。


…そう、友枝修二だ。





彼は試合中、彼女のフォームに見入っていた。



『これはこれは……』


腕を組んで、何かを考えているかのようにそう呟き、



サングラスをかけなおし、友枝は浜を後にした。