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一次予選2日目…
美夏と晶螺の出番は5組目だ。
『ぅっわぁ、もうこんな早くからみんなウォーミングアップしてるんだ』
浜で練習しているペアたちを見て美夏が言った。
隣で晶螺は、
『当たり前だよ。
たかが合宿の小さな大会予選だからって、みんな勝つのに必死なんだからね
俺ら負けたら赤っ恥だぜ』
『む…
でも、そう言われてみれば、あたしとあんたってそこまで一緒に練習する時間なかったじゃん。
まぁ、年下に負けるわけにはいかないけど。』
そう、今回の彼らの試合相手は晶螺と同じ年の男女ペア。
『まぁ、美夏ねぇがパートナーだから、がぜん負ける気はしないけどね』
『よく言う』
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『はぃ次!
5組目、コート入って』
コートに入ると晶螺も美夏も目つきが本気モードフル状態。
無口です。
これからは多分目で会話します。
バシッ!!!!
晶螺のサーブを打つ快い音が聞こえ、次に起こったのは観衆のどよめきだった。
相手ペアの男女二人は、晶螺のサーブの速さに息を呑んだ。
『うっそでしょぉ…あんなの取れないわよちょっとぉ』
『ちっ、弱気になってんじゃねぇ。ほら次来るぞ』
相手ペアは初っ端から苦戦状態だ。


