◆太陽のごとくあいつは◆




ガヤガヤ…



時々聞こえる拍手の音。



審判の人や保険医師の先生を紹介している。





美夏はただボーっと席に座っていた。


横からの晶螺の視線が刺さる。




『何 人の顔見てんのよさっきから』



ついに美夏が口を開いた。



『さっきのあいつ誰?』



晶螺は不機嫌そうに即質問し返す。




『誰って……麻美ちゃんの先生でしょ』




『ちがうよ。
俺がきいてんのは、美夏ねぇにとって誰かってこと!』



『…前通ってたビーチバレー教室でお世話になった人。

何回かペア組んだことはあるけど。

あんたと麻美ちゃんみたいに。』




『-----それだけ?』




頬杖をついて晶螺はまだ不機嫌そうな顔をしている。



『何言ってんの!
あの人はあたしの親友の恋人なんだから!
それ以上があるわけないでしょ』




『ふーん…----』





恋人…"だった"んだから…。


美夏は過去を思い返してこぶしを握り締めた。





"美夏おめでとー!!
来月の試合でも友枝さんと組むんでしょ?"







"うらやましいな~ぁ"






"3人でドライブなんて私ジャマじゃない??
あっはっは!嘘よぉ"





『次っ!!2組目!コート入って!!』




"ごめんなさい、美夏!!許して!
私たち実は付き合ってるの!!"


"私、彼のことあきらめられない…"




"許して…美夏……"



2年前の千佳の言葉が痛いぐらいに心をつつく。