その一縷の望みは日に日に太くなっていき、キョウスケを縛りつけた。                           
 それを振り払おうと妄想をし自慰をして、そしてナイフを研いだり体とナイフ技術を鍛えたりと日々を過ごしていた。                  


 体とナイフ技術を鍛えていたのは願望を爆発させないようにするためだけではない。                                 

 キョウスケはもしもの為に鍛えていたのだ。                           

 二人の異常者が自分を襲わないとは限らない。                          

 シンドウが堪らず襲い掛かってくるか、あるいは「あの方」に見捨てられ方向性を見失った果てに襲い掛かってくるか。                             

 どちらの可能性も否定できない。