この場を一瞬張り詰めた空気が包み込んだ。                           

 キョウスケに弄ばれている少女さえも何か異様なものを感じ取ったらしく、体をより強張らせていた。                                     
「・・・まあいい。自分で始める」                                            
 大柄の男はジャケットのポケットに片手を入れ、不意に何かを取り出した。                         

 小さくて細長く、先端が金属なのか光っている物体。                         


 キョウスケは暗闇の中、目を凝らしてようやくそれが何かわかった。