まだ人を切り裂いたことのないそのナイフは、妖しく光り輝き、キョウスケの顔を照らしていた。                           
 早く使ってやるからな。                        
 キョウスケはナイフに語り掛けるようにして、頭の上にかざした。                             
 血が欲しいか?                            
 ナイフは妖しく光り、キョウスケに訴えかけた。                         
 不敵な笑みを浮かべるとキョウスケはシャツを脱ぎ捨て、肩に刃を立てゆっくりと引いた。                              
「あぁ・・」                              
 鋭い痛みが走り、キョウスケは思わず声を上げた。                        
 静かに。                               
 どこか恍惚な声で。