そして顔に硫酸を掛けて放置すると、シンドウが集めた死体と犯罪の証拠を全部、庭に深く掘った穴に埋めた。   



 それから家に火を放つとキョウスケはそこから立ち去った。        


「・・大学卒業まで待つのか」




 センセイからもらったフラッシュメモリーの中に、「キョウスケへ」と題されたファイルがあった。



 それには、次の犯罪を犯すのは大学卒業してからにと、センセイからの追伸が書かれていた。




 キョウスケは不満に思ったが、自分の知識の浅さを認識していたこともあって納得した。



「・・暇だし、見物でもしに行くかなーセンセイの友人でも」



・・生きていれば、将来俺の前に現れるって話だしな。           



 暇だからなのか、センセイが友人と称した男が気になっていたのか、キョウスケは不意にそんな計画を思いたった。



 キョウスケは暑い中、冷たい缶コーヒーを口に含んで「・・まずいな」と言って、飲みかけのままゴミ箱に投げ捨てた。     



―完―