「あんたはゼロを出し抜けたと思った?甘く見過ぎなんだよ」




 キョウスケはそう言って嘲笑うと「何点かミスもある」と言葉を続けた。




「あんたの傲慢で分析不足なんだ。あんたはせいぜい二、三手先くらいの対応しかできない。それを完璧だと思い、分析を怠ってきたわけだ」




 冷静な口調でキョウスケは語ったが、シンドウは狂ったように体を動かした。


 そんなシンドウを見下しキョウスケは鼻で笑った。



「あんたはゼロを出し抜けたと思って、俺を仲間にしようと画策したようだけど、浅はかなんだよ」   



 キョウスケはそう言うと立ち上がりガレージにある棚に行き、病院にあるような瓶を手にした。



 それを目にしたシンドウは焦ったように口を塞がれながら叫んだ。




「すげーよな。こんなもんまであるんだな。睡眠薬も大量にあったし。硫酸ってどうやって手にいれるんだ?」




 キョウスケは瓶を横に振って、不思議そうにそれを見つめた。