「起きろって。これから説明を少しだけしてやるから」           



 普段敬語を遣っているキョウスケの粗暴な態度に、シンドウは一瞬戸惑ったものの怒りを露にした。



「ガキぃ!!調子に乗るなよ?!」



「そう。あんたはそのくらいでいい。15秒だ。それで今の状況を理解しろ」 



 キョウスケに言われるがままシンドウは頭だけを左右に振って周囲を見た。 



 シンドウが横たわっていたのはガレージの中で、裸で体は濡れたままだった。


 そして自分の右斜め上には、貯蔵していたはずの血の入った瓶がまとめて置かれていた。




「キョウスケぇ!!」



「あんまり叫ぶなよ。うるさい」                                              そう吐き出すように言ってキョウスケは、シンドウの口に汚れたタオルを詰めて乱暴にガムテープをぐるぐると貼りつけた。