キョウスケは自分の影を殺し、死体をなぶった。                         
 今まで我慢していたんだ、俺は。                                
 空想から戻り、目を開けるとキョウスケは今まで味わったことのない解放感に包まれて、恍惚とした。                         
「・・バイバイ」                            
 そう呟くと、キョウスケはベッドに顔を埋め大声で笑った。                                
 そして涙を流し、嗚咽をもらしながら眠りについた。                                   
 解放感に満ち溢れているはずなのに、どうして涙を流してしまったのか、そのときわかることはなかった。