「語弊があったね。シンドウと名乗ったあの男と他三人を殺してあと一人は、その男次第かな」                             

 センセイは淡々とした口調でそう語った。                            
 シンドウを含んだ四人は除外し、あと一人はその人物次第とした言動はさらにキョウスケに疑念を抱かせた。                                  
 いや、確証も得た。                          
 センセイはシンドウと面識があるということ。



 そして、その男はセンセイにとって重要な人物ということがキョウスケにはわかった。                    

 その男の存在が犯行を左右するだけでなく、センセイの興味を引く人間であるということは珍しいことだ。                          

 センセイの性格上、相手を人間としては簡単に見ることも、その興味も抱くことはない。