「・・恨みがあっても、センセイが言った理想には反しませんよ。俺だって・・犯しながら殺しました。理想に近いなんて・・・」                         

 キョウスケはそう言って、両膝に肘をついて頭を下げて、小さく頭を左右に振った。                                 
 そんなキョウスケは見て、センセイは珍しく笑い声を上げた。




「でも君は強姦に興奮を示しているんじゃなくて、殺人に興奮を覚えているだろ?」                      


 キョウスケが軽く頷くと「過程だよ。純度を増すための」と言って、センセイは笑みを浮かべた。               


「君は原石だからそれでいい。ただもっと勉強が必要だけどね」                               

 センセイは笑みを浮かべながらそう言ったあと、「話を最初に戻すね」と口に出すと真剣な顔をした。                         
 鋭さを増したセンセイの眼光にキョウスケは目を奪われて息を飲んだ。