センセイが微笑むと、重い空気が少し和らんだ。                           

 キョウスケは首を締めつけられていたかのように、息を荒々しく吐き出した。                        

・・こんな人間に抗おうなんて馬鹿げてる。                            

 シンドウはセンセイをいずれ殺すつもりでいるのは、火を見るより明らかだ。                          

 たしかにシンドウは大柄で、正々堂々の殺し合いをしたら、まず負けることはない。                                 

・・でもこの人間は別だ。                        

 キョウスケは大きく深呼吸をして、高鳴る鼓動を抑えようとした。                                         
「逆に質問していいかな?」                                   

 センセイは不意にそう言って、キョウスケは静かに「はい」と答えた。