現実世界のキョウスケは、普通の生活を過ごそうと努力していた。                             
 高校の同級生を始め、何人かの女と付き合って普通の道に修正しようと何度も試みた。                                
 ただどうしても、満たされなかった。                              
 どんな女と性行為をしてもつまらなく、満たされたことはなかった。                            
 ケンカをしてもそう。                         
 殺したい願望はあっても、実際は殺すことはない。                        
「殺せばいいんだよ」                          
 空想の中でそいつは言った。                                  
 キョウスケに見せつけるように、わざわざケンカしてきた相手をなぶり殺して笑った。