♪~♪♪♪♪~♪~♪♪~♪


歌音と話し合おうと思い、そのために戻って来た俺ん家の前。


不意にピアノの音が聞こえた。

あぁ…俺ん家ピアノあったっけな。

そんなコトを思った。

昔弾いてたばぁちゃんの形見でイイヤツが俺ん家にある。


…誰が弾いてるのかなんて考えなくても分かった。

寂しそうなこの弾き方柔らかなタッチ、大切に弾く…歌音しかいない。


ふと玄関の横の部屋…つまりピアノのある部屋を見ると一生懸命ピアノを弾いている歌音の姿。


…窓開けてやがる。

歌音の弾くこのピアノの音色を誰にも聞かせたくない、そう思った。

…でも、窓開けてたから俺はこの音色が聞けたのか。


♪~♪♪~♪♪~♪♪♪~♪~♪…


不意に音が止まった。


ドキリとした。

…俺がいるのに気がついたのか??

そっと部屋を見ると気付いた様子はない。

…よかった。