強めの風が暑苦しかった。

半月は完全に見えなくなりコンビニの光が妙に明るく浮かんでいるように感じた。



コンビニに入るとミクはすぐにボクの方を見た。


ボクは緊張しながらもミクに笑顔を向けた。



愛情を得る為に6歳の頃から練習し続けた笑顔はどんな時でも出せる自信はある。


それでも、引きつっていなかったか、気になる。


2人で歩く車までの空気も、若干、ぎこちない。


「遠くまで、ごくろうさま。」


「あぁ、大丈夫だよ。急にきて、ゴメン。」


「ぜんぜん。会いたかったよ。」


「どこ行こうか?ご飯食べた?ってか、とりあえず、街でよう。」


なぜか、一気に話すボクがいた。

なんだ?妙にテンションが高い。


「えっ?街でるの?」

「嫌?一緒に歩こうよ。」

「うん、いいけど…。知り合いがいると…。」


そうだ。ここはミクには十分その可能性がある場所だ。


「ゴメン。どっかでゆっくりしようか…。」


「うん、そのほうがいいかな。」


「んじゃあ、とりあえず…、どっちに行ったらいい?」


「ん〜、こっち!」


「はっ?こっちってどっち?……」





車は街とは少し離れた方向へむかった。



23時過ぎ、当然、一泊だった。