車を近くの駐車場に止めてキョウコの部屋へ向かった。

部屋の前で一呼吸入れて気持ちを切り替えると和食系のイイニオイがした。



キョウコは料理も上手い女だった。


オレ達は寄り添って寛ぐ。


テレビはしょうもないお笑い系だった…。



「はははっ、マジ、ウケる!」


どこが?!


「ははっ、面白いねぇ」


オレは合わせで笑う。


いつものことだがお笑いにマジウケるのはマレだ。


「オレ、帰るわ。」


「えっ?」


「じゃあ、明日…。」


キョウコが、この辺で引き止めるのも分かってきた。


「待って、お願い…。」


ほらな


「もう遅いから…。」


オレは帰ろうと演じる。

キョウコはオレに飛び込んできて、抱きついた。


「おい、キョウコ…」


「お願いだから…」


「でもさぁ、…んっ、チュッ、んぐっ、レロ…」

キョウコがキスを奪い、ねじ込んできた。


キスしたままオレのネクタイを奪い取り、中途半端にボタンを外す。


手は、そのまま下に降りて…。



ジジジジッ…。



「お願い、何でもするから……。もうちょっと居て…。」


キョウコは、今、あけ広げた所から右手を入れて座りこんだ。


「んふっ、ちゅっ、ジュパ、ヂュッ、チュッ、レロ、ヂュパ、ジュル、グチュ、んぱぁ…」


右手と顔と舌を連動させながら、上目使いは忘れない。


いったい、どこで覚えるんだ?


しかも、胸ポケットの携帯…震えてるし…。













「んじゃあな、キョウコ。また、明日。」


「うん…、…バイバイ。」

オレは笑顔だけ返して、キスした。





水曜日は大概、こうして過ぎていく。



メールはヨウコから、会議お疲れ、ご飯は?的な内容だ。


食ったよ、色々、お腹いっぱいですよ……。



もちろん、独り言で打ち返すわけない。





しかし…、水曜日はそろそろ潮時だった。